2026年
地価ランキング総括
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の2026年地価公示データをもとに、全国の地価ランキングの顔ぶれがこの1年でどう変化したかをまとめました。 単なる数値の羅列ではなく、「なぜこの街が伸びたのか」「なぜこのエリアが沈んだのか」という背景まで掘り下げています。
東京都心区が依然強いが、「下町エリア」の急浮上が今年の目玉
住宅地地価上昇率ランキングのTOP30のうち14件を東京都が占め、依然として東京都心区の強さは揺るぎません。 1位は港区(前年比+16.6%、前年7位から6ランクアップ)で、2位の台東区(+14.2%)は前年16位から一気に2位へ躍進しました。
今年最も特徴的なのは、台東区・墨田区(前年22位→9位)・江東区(前年25位→13位)・荒川区(前年29位→15位)という「東京下町エリア」が軒並み大きくランクアップしたことです。 浅草・両国・スカイツリー周辺など、インバウンド観光の回復と再開発が進むエリアが軒並み顔を揃えました。都心3区(千代田・中央・港)に次ぐ「第二波」の上昇エリアとして、今後も注目に値します。
沖縄リゾートエリアが上昇率ランキングに続々ランクイン
上昇率TOP30に沖縄県から7市町村がランクイン(東京都に次いで2番目に多い)したのも今年の特徴です。宮古島市(+12.7%、11位)を筆頭に、恩納村・北谷町など米軍基地跡地の再開発やリゾート開発が進むエリアが軒並み上位に入っています。 特に南風原町は前年57位から24位へ33ランクという、今年最大の上昇率ランキング内ジャンプアップを記録しました。
沖縄の街は穴場エリアランキングでも上位を独占しており、東村(穴場スコア93.4pt)・宜野座村が1・2位。 北海道のニセコ町・東川町・安平町といった観光地系の街も上位に入っており、「地価はまだ手が届くが将来性のあるエリア」として観光・リゾート地が目立つ結果となりました。
能登半島地震の爪痕:石川県内で明暗が分かれる
住宅地地価下落率ランキングでは、石川県から3市が下落率TOP10入りしました。1位は輪島市(-5.2%、前年も1位)、4位七尾市(-4.2%)、5位羽咋市(-4.2%)と、いずれも2024年の能登半島地震で大きな被害を受けた能登半島エリアです。
一方で同じ石川県内でも金沢市(+2.0%)・白山市(+3.1%)・かほく市(+3.5%)は上昇に転じており、震災被害の大きかった能登エリアと、金沢近郊エリアとで明暗がくっきり分かれる結果となりました。一つの都道府県の中でも地価動向は一様ではないことがよくわかる事例です。
下落率ランキングの主役は北海道と奈良県南部
下落率TOP30の内訳を見ると、北海道が10件と最多で、人口減少が続く地方都市・町村の厳しい状況が続いています。 次いで目立つのが奈良県で7件。上北山村・野迫川村・吉野町・下市町・下北山村・黒滝村・川上村と、いずれも奈良県南部の吉野・十津川エリアの山間部に集中しています。同じ都道府県内でも、奈良市など北部のベッドタウンエリアとは対照的な地価トレンドです。
転入超過ランキングは東京郊外・千葉方面が上位に
転入超過ランキングでは、足立区(+6,370人)・世田谷区(+5,780人)・大田区・練馬区と東京23区の郊外寄りエリアが上位を占め、5位に船橋市(千葉県)が入りました。都心3区の地価上昇とは対照的に、人口の転入超過は住宅コストの相対的に手頃な郊外エリアに集まる傾向が続いています。
まとめ:都心区・下町・沖縄が「攻め」、地方と被災地が「守り」の1年
2026年のランキングを総括すると、東京都心区に加えて東京下町エリア・沖縄リゾートエリアという新しい「攻めの上昇組」が顔を出した一方、北海道・奈良県南部などの人口減少地域と、能登半島地震の被災エリアが下落率上位という「守りの1年」だったと言えます。 各ランキングの詳細は上昇率ランキング・下落率ランキング・高額エリアランキング・格安エリアランキングからご確認いただけます。市区町村ごとの5年間の地価推移は地価推移マップで、実際の成約価格は駅別実勢価格でご覧いただけます。
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」地価公示・地価調査(2026年)。総務省「住民基本台帳人口移動報告」(転入超過数)。順位変動は前年(2025年)との比較。